研究基盤イノベーション分科会(Innovative Research Infrastructures for STI Subcommittee(IRIS ※))は、研究基盤イノベーション(ハード(施設・設備)およびソフト(人財・システム)に関するステークホルダー(教員・技術職員・事務職員・URA等)が一同に集まり、最先端の議論をするための様々な活動を実施しています。本分科会は研究基盤を学術的に捉え、議論する場です。
産学官が有する研究施設・設備・機器・技術といった「研究基盤」は、あらゆる科学技術イノベーション活動を支え、その戦略的な整備は本来重要な政策課題です。しかし、これまで研究基盤に対する政策的関心は低く、関連する予算・事業規模も限定的であったため、大学等における研究基盤の整備は進んでいない状況です。そのため、研究基盤に関する政策研究やIR(Institutional Research)、設備や技術のデータベースの整備、それらを取りまとめるための専門人材の確保も十分とはいえません。
本分科会主査及び幹事メンバーは以前よりこの問題に積極的に取り組み、研究基盤共用に関する事業に関するシンポジウムや連絡協議会、その他関連イベント等に関わり、文科省の科学技術・学術審議会を通した政策提言や各地での講演を通して、研究基盤に関する現場と政策の対話の「場」を構築してきました。その結果、文部科学省による「研究力向上改革2019」では柱の一つとして、『研究環境の向上による研究効率の最大化』が掲げられ、研究基盤が国の政策として取り入れられるようになりました。また、研究基盤に関する諸課題は、内閣府の総合科学技術・イノベーション会議での議論を経て、第6期科学技術基本計画策定に向けたイシューとして注目されています。しかし、こうした政策的関心の高まりに対してその受け皿となる議論の「場」は存在しないため、議論はまだ十分とはいえない状況です。
本分科会は、こうした状況に鑑み、研究基盤イノベーションに軸足を置き、図1の位置付けが示すように、産学官のステークホルダーが組織や立場を超えてオープンかつフェアに議論するための「場」となるべく設立されました。
(2020年1月「研究基盤イノベーション分科会」設立について より)